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【 嫉 妬 】 心に嫌な予感を抱えながら、俺は二人の後を、追いかける。 俺が辿りついた時には、二人は既に、扉の向こう側にいた。 様子を伺おうと、近づいていったら、すげ〜叫び声が聞こえてきた。 アイツが、裏庭に向かって、叫んでいたんだ。 俺は一瞬、唖然として、その後、 プッ―― 扉の内側で、思わず一人で吹き出した。 すげ〜女だ。 さすがはあの店で、俺に向かって、意見しただけの事はある。 そう思って、様子を見ていたけれど、アイツが振り返った、その場所には、類が居て、類は、アイツと目が合った途端に、声をあげて笑い出した。 その後も暫くの間、類は、腹を抱えて、笑っていた。 その表情に、何やらまた、嫌な感じを受ける。 類が、こんなにも大笑いした姿を、腐れ縁の俺でも、一度も見た事がない。 類は、嫌っていう程笑い転げると、その場所に腰を降ろした。 何やら二人で、話をしている様子。 コイツらは今迄も、ここで話をしていたのか? そう思う位に、自然な雰囲気で。 そして何よりも、アイツが、学園では見た事のない顔で、笑っていた―― ザワめく、俺の心臓。 アイツが、俺のマブダチの、類の前で、あんなにも嬉しそうに、笑っていやがる。 いつもバイト先で見るような、楽しそうな顔をして、笑っていやがる。 その事に、俺の心は痛みを伴う。 何だ、この痛みは。 今までに、感じた事のない、痛み。 チクチクと、俺の心を、刺激してくる。 そして類も、何だかやけに、楽しそうだ。 類のヤツ、何、庶民の女なんかと、そんなに親しげに話してんだよ。 俺に何の断りもなく―― なんて、相変わらず、バカな俺。 普通、そこまで断りいれる必要なんて、ね〜だろ。 女同士じゃあるまいし。 そんな事は、分かってる。 分かっているけど、何だか無性に、腹が立つ。 ジリジリと、焦げ付くような、イラだち。 お前ら、ふざけんなよっ。 俺の前で、そんな楽しそうに、話してんじゃね〜よ。 アイツが、扉を開きそうだ。 どうやら、この場所から、出ようとしているらしい。 俺は慌てて、その場を立ち去った。 その日から俺は、何度となく、非常階段に向かう。 扉を開くわけじゃなく、内側から外の様子を、伺うように、見つめていた。 二人は時々、この場所で顔を合わせ、楽しそうに話をしながら、過ごしている。 それを目撃するたびに、俺の心は、鈍い痛みを伴う。 それがいつしか、イラ立ちに変わって、俺は、いい加減頭に来て、アイツの帰り道を、待ち伏せした。 アイツの後姿に、呼び掛ける。 その声には、今の俺の気持ちが、表れていたのだと思う。 俺の声だと分かると、アイツの体はまた、ビクと震えた。 ゆっくりと振り返った、その顔は、相変わらず怯えた表情。 その顔を見ると、俺は何だか話し辛くなる。 だから、一言、ただ、ちょっと付き合え。 それだけ言って、アイツの腕を掴み、半ば無理矢理、リムジンに押し込んだ。 ごちゃごちゃ言ってる、アイツの言葉を制して、俺は窓の外へ、視線を移す。 窓越しにうっすら見えている、アイツの表情は、ますます怯えている様子。 当たり前だよな。 ああ、何で俺は、こんな言葉しか言えね〜んだ。 何でこんな扱いしか、出来ね〜んだ。 何で類みたいに、自然に話す事が、出来ね〜んだ。 自分が、情けなくなる。 だから、車の中では、それ以上の言葉を、話せなかった。 いろんな店に連れて行って、アイツをどんどん着飾らせる。 へぇ、孫にも衣装、ってヤツだな。 磨けばそこそこ、可愛く見えるんじゃん。 心の中ではそう思ったけど、口に出す事なんて、相変わらず出来ない。 トータルケアが済んで、最後に、行きつけのフレンチレストランに、辿りつく。 そこでアイツは、突然怒りだして、捲くし立てるように、俺を責めた。 何でだよ? 何で怒んだよ。 こんなにも、持て成してやってるのに。 お前が喜ぶと思って、した事なのに、怒る事ね〜だろうが。 だから思わず、こっちもキレて、怒鳴りつける。 お互いに、ケンカ越しになって、食事を運んできた店員にも、俺は当り散らした。 それをアイツは宥めて、勝手に食事を運ばせる。 頭に来ている俺は、ソイツらに構いもせずに、怒鳴り散らしたけど、結局最後は、アイツが俺を一蹴して、事を治めた。 俺に向かって、散々な言いよう。 信じらんね〜。 ここまで言うかよ、俺に。 俺は、家族以外の人間に、初めて叱りつけられた。 家族以外、ったって、俺を本気で叱ってくれるのは、姉貴位だったけれど。 でも姉貴も、嫁に行っちまったし。 今の俺をセーブする人間なんて、正直一人もいなかった。 それをコイツは、サラッとやってのけた。 だけど、その時の俺はまだ、素直じゃなくて。 俺の機嫌は、至極最悪。 仏頂面で不貞腐れている、俺に構わずに、アイツは目の前の料理を、一人黙々と食べ始める。 そのうち今度は、行き成りニコニコ笑い出して。 今頃何だよ。 最初から、素直にそうしてればいいじゃね〜か。 訳分かんね〜よ。 相変わらず、押し黙ったままの俺。 そんな俺を、また叱り飛ばして、残さず食え、と言いやがる。 ふざけんなっ。 こんな気分で、食える訳ないだろっ。 そう思ったけど、マジで怒った顔してるから、仕方なくフォークを手にした。 その間もアイツは、旨い旨い、と言いながら、結局全部、食べ尽くした。 すげ〜食欲。 呆れて物も言えない。 でも、その嬉しそうな表情は、間違えなく、バイト先や、類と話している時と、同じ顔をしていた。 その顔に、今迄の事、全て、許してやりたくなる。 不思議なヤツだ。 その顔を見ただけで、俺の心は癒されるんだ。 最後に、大きくお辞儀なんてしやがって、照れくさいったらありゃしね〜。 ぶっきら棒に、怒鳴りつけたら、アイツは、不思議そうな表情で、俺を見ている。 暫くして、アイツは、そうかそうか、と言いながら、何だか一人で納得していやがる。 どうやら、今日の持て成しの意味が、分かったらしい。 そしてアイツは、俺に向かって行き成り、金で買えない物を見せてやる、と笑った。 その笑顔が、今迄で一番眩しくて、俺は自分の鼓動が、高鳴るのを感じた。 何だよ、この気分。 心底、嬉しいし。 今迄生きてきて、長い間ずっと、心に痞えていたものが、全て取り除かれたような、気分だ。 それに、今度付き会え、って、それって、俺を誘ってんのか。 ますます、照れくさくなる。 コイツといると、俺の心は、一喜一憂する。 滅茶苦茶嬉しくなったり、反して、急に胸が、痛くなったり、イラついたり。 忙しく、活動を、し始める。 それでも、一緒にいたい、そう思う。 今度の土曜日が、楽しみで仕方がなかった。 http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=mamag 続きが読みたい! と思ってくれましたら、こちらを押して拍手を送ってやって下さいませ。←前書きへ ←長編目次へ 二次創作小説【花より男子-長編-アイツといれば】へは、 下にある( 《前記事 ・ TOPへ ・ 後記事》 )の、後記事》から進む事が出来ます。他作品をご覧になりたい場合は、 同じく下にある( 《前記事 ・ TOPへ ・ 後記事》の、TOPへから戻って、左サイドバーのテーマカテゴリより、ご希望の作品のテーマをクリックすると進む事が出来ます。 |
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