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【 自分でも、分からない 】 その日は、別の意味で、荒れた。 いつもの怒りとは、違う感情だ。 いつもは、暗くて、救いようがなくて、出口のない、イラ立ち。 世の中の誰もが、憎くなる、そんな怒り。 でも、今日のは、何かが違う。 自分に、怒っている。 俺、何やってんだ、って。 自分でも、もうどうしようもなくて、どんなに酒を飲んでも、どんなに暴れても、この気持ちが消えない。 いつもなら、そこそこ暴れれば、すっきりするのに。 今日のそれは、それだけじゃ、抜け出せない。 情けなくて、自分の拳を、何度も何度も、壁に叩きつける。 血だらけになっているのに、その痛みさえ、感じない。 神経が麻痺しているみたいに、何も感じないんだ。 痛みを感じれば、まだ救われるのに。 アイツを恐怖に陥れた、そんな自分への、せめてもの制裁になるのに。 それすら、感じられなくて。 深い闇―― 次の日に、アイツへのイジメは、撤回した。 もう退学ゲームを、ヤル気もなくなった。 いつもはそれで、自分の中のストレスが解消されていたのに、今度のはそれだけじゃ、解消出来なくなっている事に、気がついたから。 今更やるのは、無意味だ。 だけど、訳も分からずに、イラ立つ俺の心。 何かが、俺の中で引っかかっている。 何なんだ、この感情は。 イライラして、しょうがない。 時々、学園内で、アイツと擦れ違う。 アイツは、何故だかいつも、下を向いて歩いている。 最初は、自分と顔を合わせたくないのかと、思っていた。 でも、そうではないみたいだ。 通り過ぎて、後ろを振り返って見ても、アイツはずっと、下を向いている。 少し離れた渡り廊下を、歩いている時もそう。 アイツはいつでも、下を向いている。 何でだ? もうイジメは撤回したはずなのに、何で未だにアイツは、あんなに詰まらなそうに、生気がなさそうに歩いてるんだ? バイト先での表情とは、大違いだ。 まるで、俺みたいに、憂鬱そうな、その表情。 俺は何故だか、それが無性に気になって、いつの間にか、アイツの姿を探している、自分に気がつく。 そうしたら、そのうちアイツは、多分あの夜に掛けてやった、俺の服を、返そうとしているのだと思う。 何度も何度も、俺に近づいてくる。 いつも姿を追っていたから、その事にはすぐ気がついた。 でも俺は、彼女を近づけさせなかった。 あんな事しちまった後に、一体どんな顔をして、話せばいいってんだ。 お前は俺を、怒っていないのか。 俺はお前を、傷つけたっていうのに。 本当なら、二度と話もしたくないんじゃないのか。 上着なんてこの際、どうでもいい事だろう? だのに何だって、律儀にそんなもの、返そうとするんだよ。 怒ってくれていた方が、よっぽどマシだった。 だから俺は、いつも逃げるように、その場を去っていく。 暫くそうしていたら、アイツも諦めたようで、こちらへ近づいてくる姿を、見かけなくなった。 でも、アイツが諦めて、俺の前に顔を出さなくなってから、俺の心は、何故だか物足りなさを、感じ始める。 何で、突き放しちまったんだろう。 キチンと向き合っていれば、良かった。 アイツが来なくなった事が、無性に自分を、寂しくさせる。 あんな女、どこにでもいる、ただの庶民じゃね〜か。 俺が気にするような女じゃね〜。 それなのに、何で俺は、こんな気持ちになるんだ。 単なる、自責の念からなのか? アイツの事が、気になってしょうがね〜。 そう思った俺は、情けなくも、アイツが働いているバイト先へ、チラチラ行き始める。 アイツが楽しそうに、笑っている姿を、見る為に。 って、何だよ、コレ。 まるでストーカーだよな。 バカだ、俺。 この前から何やってんだよ、ほんとに。 自分でも、訳が分からない。 だけど、アイツが笑っている姿を見ていると、俺の心は何故だか休まる。 何なんだ、この気持ちは。 アイツの笑っている顔が見たくて、何度も何度も通い詰める。 だってさ、学校ではあの顔、見れないから。 こうするしかなくて。 話しかけるなんて、そんなこっぱずかしい事、出来るはずもないし。 俺は、この前の詫びのつもりで、アイツのバイト先を、うちの傘下に加えさせた。 勿論、その店にとって、最高の条件で。 それ位しか、やれる事が、思い浮かばなかった。 総二郎やあきらと違って、女への対応なんて、どうすればいいのか、てんで分からない。 まさかアイツらに、聞くわけにもいかね〜し。 そんな自分が、心底情けなかった。 http://webclap.simplecgi.com/clap.php?id=mamag 続きが読みたい! と思ってくれましたら、こちらを押して拍手を送ってやって下さいませ。←前書きへ ←長編目次へ 二次創作小説【花より男子-長編-安らかな、ひととき】へは、 下にある( 《前記事 ・ TOPへ ・ 後記事》 )の、後記事》から進む事が出来ます。他作品をご覧になりたい場合は、 同じく下にある( 《前記事 ・ TOPへ ・ 後記事》の、TOPへから戻って、左サイドバーのテーマカテゴリより、ご希望の作品のテーマをクリックすると進む事が出来ます。 |
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