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help リーダーに追加 RSS 二次創作小説【花より男子-長編-第13章】

<<   作成日時 : 2008/07/15 21:03   >>

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【 自分でも、分からない 】





その日は、別の意味で、荒れた。

いつもの怒りとは、違う感情だ。

いつもは、暗くて、救いようがなくて、出口のない、イラ立ち。

世の中の誰もが、憎くなる、そんな怒り。

でも、今日のは、何かが違う。

自分に、怒っている。

俺、何やってんだ、って。

自分でも、もうどうしようもなくて、どんなに酒を飲んでも、どんなに暴れても、この気持ちが消えない。

いつもなら、そこそこ暴れれば、すっきりするのに。

今日のそれは、それだけじゃ、抜け出せない。

情けなくて、自分の拳を、何度も何度も、壁に叩きつける。

血だらけになっているのに、その痛みさえ、感じない。

神経が麻痺しているみたいに、何も感じないんだ。

痛みを感じれば、まだ救われるのに。

アイツを恐怖に陥れた、そんな自分への、せめてもの制裁になるのに。

それすら、感じられなくて。

深い闇――



次の日に、アイツへのイジメは、撤回した。

もう退学ゲームを、ヤル気もなくなった。

いつもはそれで、自分の中のストレスが解消されていたのに、今度のはそれだけじゃ、解消出来なくなっている事に、気がついたから。

今更やるのは、無意味だ。

だけど、訳も分からずに、イラ立つ俺の心。

何かが、俺の中で引っかかっている。

何なんだ、この感情は。

イライラして、しょうがない。


時々、学園内で、アイツと擦れ違う。

アイツは、何故だかいつも、下を向いて歩いている。

最初は、自分と顔を合わせたくないのかと、思っていた。

でも、そうではないみたいだ。

通り過ぎて、後ろを振り返って見ても、アイツはずっと、下を向いている。

少し離れた渡り廊下を、歩いている時もそう。

アイツはいつでも、下を向いている。

何でだ?

もうイジメは撤回したはずなのに、何で未だにアイツは、あんなに詰まらなそうに、生気がなさそうに歩いてるんだ?

バイト先での表情とは、大違いだ。

まるで、俺みたいに、憂鬱そうな、その表情。

俺は何故だか、それが無性に気になって、いつの間にか、アイツの姿を探している、自分に気がつく。


そうしたら、そのうちアイツは、多分あの夜に掛けてやった、俺の服を、返そうとしているのだと思う。

何度も何度も、俺に近づいてくる。

いつも姿を追っていたから、その事にはすぐ気がついた。

でも俺は、彼女を近づけさせなかった。

あんな事しちまった後に、一体どんな顔をして、話せばいいってんだ。

お前は俺を、怒っていないのか。

俺はお前を、傷つけたっていうのに。

本当なら、二度と話もしたくないんじゃないのか。

上着なんてこの際、どうでもいい事だろう?

だのに何だって、律儀にそんなもの、返そうとするんだよ。

怒ってくれていた方が、よっぽどマシだった。

だから俺は、いつも逃げるように、その場を去っていく。

暫くそうしていたら、アイツも諦めたようで、こちらへ近づいてくる姿を、見かけなくなった。


でも、アイツが諦めて、俺の前に顔を出さなくなってから、俺の心は、何故だか物足りなさを、感じ始める。

何で、突き放しちまったんだろう。

キチンと向き合っていれば、良かった。

アイツが来なくなった事が、無性に自分を、寂しくさせる。

あんな女、どこにでもいる、ただの庶民じゃね〜か。

俺が気にするような女じゃね〜。

それなのに、何で俺は、こんな気持ちになるんだ。

単なる、自責の念からなのか?

アイツの事が、気になってしょうがね〜。


そう思った俺は、情けなくも、アイツが働いているバイト先へ、チラチラ行き始める。

アイツが楽しそうに、笑っている姿を、見る為に。

って、何だよ、コレ。

まるでストーカーだよな。

バカだ、俺。

この前から何やってんだよ、ほんとに。

自分でも、訳が分からない。


だけど、アイツが笑っている姿を見ていると、俺の心は何故だか休まる。

何なんだ、この気持ちは。

アイツの笑っている顔が見たくて、何度も何度も通い詰める。

だってさ、学校ではあの顔、見れないから。

こうするしかなくて。

話しかけるなんて、そんなこっぱずかしい事、出来るはずもないし。


俺は、この前の詫びのつもりで、アイツのバイト先を、うちの傘下に加えさせた。

勿論、その店にとって、最高の条件で。

それ位しか、やれる事が、思い浮かばなかった。

総二郎やあきらと違って、女への対応なんて、どうすればいいのか、てんで分からない。

まさかアイツらに、聞くわけにもいかね〜し。

そんな自分が、心底情けなかった。








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