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help リーダーに追加 RSS 二次創作小説【花より男子-長編-第11章】

<<   作成日時 : 2008/07/07 22:14   >>

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  【 全ての謎が解けた 】





都会のイルミネーションを、存分に堪能して、ヘリコプターを降りたあたしは、何度も何度も道明寺に手を合わせた。

あまりの感激に、一人、はしゃぎまくる。

でも、そんなあたしに比べて、道明寺の心中は複雑なよう。

あたしはそういう事には、鈍感みたいで。

何も、分かっていなかった。

道明寺の、気持ち。

あたしがヘリで、ふと零した言葉が、道明寺の心に、深く突き刺さっていたようだ。

当の本人は、てんで自覚なし。

「牧野――」

不意と後ろから呼びかけられて、機嫌よく振り向いたあたしは、

クイと、

体が引っ張られて、

次の瞬間、

気がついてみたら、

あたしは、道明寺の、胸の中にいた。



あまりにも突然で、予想もしなかったその出来事に、あたしは呆然となる。

あたしを包む、道明寺のその胸は、ドクドクと強く、鼓動している。

息苦しいほどに、強くあたしを抱きしめる、道明寺。

何で?

多くの疑問が沸いてくる。

何してるの? 道明寺――

そう思ったけれど、言葉が発せない。

苦しくて。

ううん、それだけじゃなくて。

酷く緊張して。

言葉を失う。

あたしの胸も、ドクドクと脈打っていた。

そんなあたしの耳に、何か聞こえてきた。

今、何て――?

道明寺は今、何て言ったの?

「好きだ――」

え――

誰を――?

「俺は牧野が好きだ――」

嘘――

何、言ってるの?

あたしの頭は、その言葉を何故だか受け付けない。

だって、そうでしょう。

道明寺が、あたしを好きだって?

そんな夢みたいな事が、あるわけないじゃない。

あたしは、イジメのターゲットだったのよ。

それに何より、あたしと道明寺じゃあ、釣り合うものなんて、何もない。

平凡な、一介の庶民。

少しくらいキレイなら、それだけで理由になるかもしれない。

でもあたしの顔は、どこからどう見ても、十人並み。

スタイルだって、いいとは言えない。

そんなあたしを捕まえて、何言ってるの?

まさかこれも、何かの罠?

あたしをその気にさせて、後でボロ布みたいに、捨てる気なのかな。

でも、何故だかあたしの本能は、そうじゃないと反応している。

だって――

あの日とは、違う。

あの夜の、ただ強引なだけの、男の力を見せつけるような、乱暴な力とは、違っていた。

道明寺の、あたしを抱きしめるその手が、あまりにも優しくて。

強く抱きしめられているけれど、でも優しい。

強いのは、あたしへの想いだって、何となく分かる。

今日で終わらせたくない。

アイツは、そう言った。

ああ、そう。

今日二人が会ったのは、この前のお礼だから。

お礼が済めば、あたし達を繋ぐものは、何もない。

そう思ったって。

ヘリであたしがそう言ったって。

最後に有難う、って。

何気なしに、発した言葉だったけれど、道明寺にとっては、重く圧し掛かっていたみたいで。

これで終わりかよ、って、思った、って。

これで終わりなんて、耐えられない、って。

道明寺は言った。

そしてあたしにも、そう聞いた。

お前はこれでいいのか、って。

明日から普通に、ただ擦れ違いざまに、よぉ、そう声を掛け合うだけの、そんな仲に戻って、それでいいのか、って聞かれた。

そうはっきり、言葉に出して聞かれたら、あたしの心臓は、ズキンと鈍い痛みを覚えた。

だからって、あたしは道明寺の事が好きなのだろうか。

そんな事、考えもしなかった。

ただ、道明寺の思い上がりを、圧し折ってやる事しか、頭になかったから。

だってあたし、イジメられたのよ。

道明寺は、それを仕掛けた、張本人なのよ。

それなのに、行き成り、好き、だなんて言われても。

でも、そう思う半面で、あの夜から今迄に、道明寺がしてきた、訳の分からない行動の意味が、分かった気がした。

全部が、繋がった。

そういう事だったんだ。

思い切り、あたしの勘違い。

あれは全部、あたしへの想いだったのかもしれない。

嘘みたいだけど。

未だに、夢でも見ているみたい、だけど――


でも、待って。

あたしにも、考える時間が欲しいの。

道明寺の事を、自分はどう思っているのか、ゆっくり考えさせて欲しい。

その時のあたしは、それだけしか言う事が、出来なかった。

でも、そんなあたしの気持ちを、道明寺は確り受け止めてくれた。

あたしの気持ちを、確かめる時間。

それにだけは答えて欲しい、と、あたし達は、これからも二人で会おうと、そう決めた。

その日の最後に、道明寺は、今迄見た事もない位に、柔らかい笑顔で、心底嬉しそうに、笑った。







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